いつくしみの聖母会

〒874-0841 大分県別府市竹之内4-1 TEL: 0977-23-9334

会員としての証し

 『いつくしみの聖母会』では、会員を『アンチェラ』と呼びます。これは、イタリア御で"ancella"、はしためという意味です。ここで、ひとりのアンチェラの生活を紹介したいと思います。

 彼女は、20代の若い時から、教会の中で『縁の下の力持ち』として、目立たないけれども必要不可欠な働き手として、奉仕してきました。その後、とある男子修道会の料理や洗濯などの家事労働を頼まれました。彼女は『神父様方』に美味しいものを食べさせたい、との一念で、イタリア料理、フランス料理、食材のことなどについて、本やTVを通して研究しながら、腕を磨きました。宣教師の神父様方は、彼女の料理の『マンマの味』を楽しみにして下さっていたようです。

 また、台所は、人がありのままの姿を見せることのできる場所でもあります。彼女の仕事場である台所でも、色々な人との出会いが生まれました。そして、神父様の協力者として、修道院を訪れる人々の話に耳を傾けることが、多くなりました。こうして彼女は、家事だけではなく、修道院を訪れる人々の相談相手になったり、神父様とのパイプ役として、さまざまな問題を共に考え、悩みを抱える人々に同伴することも多くなりました。教会では、聖歌隊のメンバーとして。聖体奉仕者としての病人訪問。教会の料理教室の講師などの活動もしました。人々との会話が好きな彼女は、より広い人々とのかかわりの中で奉仕したいという思いから、『いのちの電話』のボランティアとしても働きました。彼女の生活は、朝夕の教会の祈り、毎朝のミサ、聖体拝領などから力を頂いて展開されてきました。今、彼女は老人ホームで静かな生活を送っていますが、かつて、修道院での奉仕の際に出来た人々との関わりは、今も続いており、祈りによってより強い絆となっています。

 このように、パン種として生きるという在俗会の召命を、彼女は、精一杯生きてきたのです。